Hololife Podcast #75 "ミトコンドリア”なぜ疲れる・なぜ老ける、細胞レベルの答え・断片化から統合へ・ミトコンドリアバイオハック大全
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エピソードの要約
00:00:00 エネルギーの発電所・細胞の老化、免疫、代謝、全部の司令塔・ミトコンドリアをバイオハック
00:01:32 本日のテーマ「ミトコンドリア」
00:04:47 干城アナウンスメント「11月はアムステルダム」
00:05:41 細胞の中で起きている「断片化」
00:12:05 外側のシグナル「運動・レッドライト・寒冷」
00:28:32 内側の燃料「Mg・ケトン・PQQ」
00:40:10 選択的断捨離「マイトファジー」
00:49:09 ミトコンドリア関係「統合して考える」
SHOWノート
Co-host:あゆみ
対談中に話した話題
- エピソードの文字起こし> Listen.styleで活字で読みたい
- ウェルビーイングとバイオハックの未来を探る!> ホロライフジャパンの無料Discordコミュニティが登場
- より良い自分、より良い世界へ> ホロライフサミットについて
- ラック型のレッドライトセラピー機器> LED治療 医療用Red Light therapy 光エステ
- 顔マスク型のレッドライトセラピー機器> 美容マスク HIGHER DOSE 赤外線フェイスマスク
- ミトコンドリの断捨離をサポートするウロリチンA> 日本で買えるウロリチンAサプリメント
- オートファジーを活性化するサプリ> 日本で買えるスペルメジン
- ミトコンドリア機能を支えて、疲労感や認知機能をサポートする可能性があるサプリ> PQQ(ピロロキノリンキノン)
- 自己責任で人体実験> メチレンブルー
- 本エピソードの要約NOTE記事> 疲れの正体はミトコンドリア|細胞から若返るバイオハック大全
- ミトコンドリアに関する過去のエピソード
- Biohacker's Podcast #14 "熱ストレス" サウナに入ってバイオハック!
- Biohacker's Podcast #16 "寒冷暴露" 冷却ストレスをバイオハック!
- Biohacker's Podcast #23 "ケトジェニックダイエット” 炭水化物は必要ない?脂肪を食べて脂肪を燃やす高脂肪ダイエット
- Hololife Podcast #70「運動の質が寿命を決める」運動強度のパラダイムシフト・ミトコンドリアと脳の最適解・運動強度の黄金比
- Hololife Podcast #72「代謝を回す隠れた主役マグネシウム」睡眠・疲労・ストレス…全部マグネシウム不足?摂っているのに不足する?Mgパラドクスの真実
- Hololife Podcast #73 "レッドライトセラピー” 赤い光で何が起きる?近赤外線と回復の科学

ミトコンドリアが細胞内で形を変え、傷んだものを処理し、必要な場所へ移動するしくみを示しています。
ミトコンドリアは「細胞の発電所」とよく呼ばれますが、固定された部品ではありません。細胞の状態に応じて、くっついたり、分かれたり、壊れたものが回収されたり、細胞内を移動したりします。これらをまとめてミトコンドリア・ダイナミクスと呼びます。
a:ミトコンドリアの融合と分裂
左下から中央にかけて描かれているのは、ミトコンドリアが融合する過程です。
融合とは、複数のミトコンドリアがつながって、より長いネットワーク状になることです。これは、ミトコンドリア同士が中身を混ぜ合い、機能を補い合うために重要です。
融合には主に次のタンパク質が関わります。
MFN1、MFN2
ミトコンドリアの外側の膜にあり、隣のミトコンドリア同士を引き寄せてつなげます。
OPA1
ミトコンドリアの内側の膜にあり、内側の膜同士をつなげます。
ミトコンドリアには外膜と内膜があります。外側だけがくっついても、完全な融合にはなりません。外膜と内膜の両方が正しくつながる必要があります。
右側に描かれているのは、ミトコンドリアが分裂する過程です。
分裂とは、1つのミトコンドリアが2つに分かれることです。これは、ミトコンドリアの数を増やすためだけではありません。傷んだ部分を切り離して処理しやすくする役割もあります。
分裂の中心になるタンパク質はDrp1です。Drp1はミトコンドリアの外側に集まり、輪のような構造を作ります。その輪が締まることで、ミトコンドリアがくびれて2つに分かれます。
このとき、Fis1、Mff、MiD49、MiD51などのタンパク質が、Drp1をミトコンドリア表面へ呼び込む足場のように働きます。
図では、小胞体も近くに描かれています。小胞体は、ミトコンドリアが分裂する位置を決める助けをします。つまり、ミトコンドリアは単独で分裂しているのではなく、細胞内の他の構造とも連携しています。
b:マイトファジー
上側に描かれているのは、マイトファジーです。
マイトファジーとは、傷んだミトコンドリアを細胞が選んで分解するしくみです。簡単に言えば、細胞内の「不良ミトコンドリア回収システム」です。
ここでは、PINK1とParkinというタンパク質が重要です。
ミトコンドリアが正常に働いているとき、PINK1はあまり表面にたまりません。しかし、ミトコンドリアが傷むと、PINK1が表面に残りやすくなります。PINK1はParkinを呼び寄せます。
Parkinは、傷んだミトコンドリアにユビキチンという目印を付けます。図の「Ub」がそれです。
この目印が付いたミトコンドリアは、最終的にリソソームへ運ばれます。リソソームは細胞内の分解処理施設です。そこで傷んだミトコンドリアは分解され、材料として再利用されます。
c:ミトコンドリアの輸送
右上に描かれているのは、ミトコンドリアの輸送です。
細胞内には、微小管という線路のような構造があります。ミトコンドリアはこの線路に沿って移動します。
移動には、モータータンパク質が関わります。図では、キネシンとダイナクチンが描かれています。
キネシンは主に一方向へ荷物を運びます。
ダイナクチンは、別の方向へ動く輸送を助ける複合体です。
ミトコンドリアがこれらのモーターに直接つかまるわけではありません。Miro/TRAK複合体というアダプターが間に入ります。これは、ミトコンドリアをモータータンパク質につなぐ連結部品のようなものです。
この輸送によって、エネルギーを多く必要とする場所へミトコンドリアを届けることができます。たとえば神経細胞では、遠く離れた神経終末までミトコンドリアを運ぶ必要があります。
全体の意味
この図が伝えている要点は、ミトコンドリアは常に次の4つを行っているということです。
-
融合する
健康なミトコンドリア同士がつながり、機能を補い合う。 -
分裂する
必要に応じて数を増やす。傷んだ部分を切り離す。 -
傷んだものを分解する
PINK1/Parkin経路によって、不要なミトコンドリアをリソソームへ送る。 -
細胞内を移動する
微小管という線路に沿って、必要な場所へ運ばれる。

ミトコンドリアが「分裂」と「融合」を繰り返して、細胞の状態に対応していることを示しています。
ミトコンドリアは、ただ細胞内にある発電装置ではありません。
細胞の状態に応じて、分かれる、くっつく、傷んだ部分を処理するという動きを続けています。
この動きのバランスが崩れると、細胞はストレスを受けやすくなり、場合によっては細胞死や病気につながります。
分裂
左側では、1つのミトコンドリアがくびれて、2つに分かれる様子が描かれています。
この分裂には、主に次のタンパク質が関わります。
Drp1
分裂の主役です。ミトコンドリアの外側に集まり、輪のように巻きついて締め付けます。その結果、ミトコンドリアが分かれます。
Fis1
Drp1をミトコンドリアの表面へ呼び込む役割を持ちます。Drp1が働く場所を作る補助役です。
Bap31
小胞体側にあるタンパク質です。小胞体とミトコンドリアの接触部位で、分裂や細胞死に関わります。
図の左下には、分裂の結果として次のことが書かれています。
apoptosis
細胞が自ら死ぬプログラムです。日本語ではアポトーシスと呼びます。
↑ oxidative stress
酸化ストレスが増えるという意味です。酸化ストレスとは、細胞内で反応性の高い分子が増え、タンパク質、脂質、DNAなどを傷つけやすい状態です。
つまり、ミトコンドリアの分裂が過剰になると、細胞は傷みやすくなり、細胞死へ進みやすくなります。
ただし、分裂そのものが悪いわけではありません。分裂は、傷んだ部分を切り離すためにも必要です。問題は、分裂が多すぎる状態です。
融合
右側では、2つのミトコンドリアがくっついて、1つの長いミトコンドリアになる様子が描かれています。
この融合には、主に次のタンパク質が関わります。
Mfn1、Mfn2
ミトコンドリアの外側の膜をつなげるタンパク質です。2つのミトコンドリアを引き寄せて、外側から結合させます。
OPA1
ミトコンドリアの内側の膜をつなげるタンパク質です。外側だけでなく、内側も融合させるために必要です。
図の右上には、融合の効果として次のことが書かれています。
compensation of mitochondrial damage
傷んだミトコンドリアの機能を、別のミトコンドリアが補うという意味です。融合すると中身が混ざるため、弱ったミトコンドリアが完全に機能を失う前に、他のミトコンドリアと助け合えます。
autophagy
細胞内の不要物を分解して再利用する仕組みです。ミトコンドリアに特化したものは、ミトファジーと呼ばれます。
つまり、融合はミトコンドリアの機能を保ち、細胞がストレスに耐える助けになります。
一番大事な点
この図は、分裂と融合のバランスを示しています。
分裂が多すぎると、ミトコンドリアは細かく断片化します。
その結果、酸化ストレスが増え、アポトーシスが起きやすくなります。
融合が適切に起きると、ミトコンドリア同士が機能を補い合います。
その結果、傷んだミトコンドリアの影響を減らし、細胞の生存を助けます。
ただし、融合だけが良いわけでもありません。傷んだミトコンドリアを処理するには、まず分裂で傷んだ部分を切り離す必要があります。
結論として、この図は次のことを示しています。
健康な細胞では、ミトコンドリアは分裂と融合を適切に切り替えている。分裂に偏ると細胞障害が進みやすく、融合により機能の補完と品質管理が進みやすい。
本エピソードで取り上げた記事や内容のリソース・文献・引用
-
老化のホールマーク12個は、ばらばらじゃなくて、全部互いに会話してる。そしてその会話の中心にミトコンドリアがいる> ミトコンドリア機能障害とその他の老化の特徴との相互作用:健やかな老後を促進する介入への道筋
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